“《足元から向こうまで》と《魂の行方》”
葛本と大東はそれぞれ《足元から向こうまで》《魂の行方》と題した作品を継続的に制作、発表している。
葛本は、風景のめまぐるしい移り変わりや複製されるウワモノに対して、その背後にある地面とそれらを包み込む空気が人間の知覚する風景の根幹であるという着想から、この題に至った。地球だったかもしれない石と、空気の片割れである発泡スチロールの組み合わせは風景の見立てであり、それらの接点は“わたしたち”が立つ地上の一点なのかも知れない。
大東が素材として用いるガラス瓶は、そのフォルムが首や肩、胴といった体にまつわる言葉で語られるように、そこに人の姿を重ねることが出来る。そして制作過程において死を連想させる「首吊り」状態で獲得されるフォルムは、むしろ新たな生命感を湛えたものである。生と死のイメージが流転するような制作過程はその題を冠するに相応しい。
これらの作品は両者の制作手法や着眼点を素直に示すものである。
2019.1 「藝文京展EX ~つなぐ~」会場資料掲載文
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